寺田康順編『親鸞聖人』真浄寺刊2005年 |
ここに1冊の本がある。
これは亡くなる前に植木等が病室で読んだ最後の本である。
- 少年時代小僧として修行した浄土真宗大谷派・真浄寺(東京都文京区)・寺田康順住職の刊行
- 寺田康順住職とは小僧時代から真浄寺で共に生活した間柄で、住職が亡くなるまで毎年正月と盆はかかさず真浄寺へ挨拶に伺っていた
- 植木等は父植木徹誠、母いさほの三男(長男徹は戦死、二男勉は幼くして病死)として生まれる
- 父はキリストの洗礼を受けながら得度して僧侶となった支離滅裂な人物と植木に例えられる
- 母は三重県伊勢市小幡西光寺の息女、徹誠はいさほとの結婚がきっかで仏弟子となった
- 三重県多気郡宮川村の常念寺住職なった父とともに檀家周りをしていた
- 徹誠は戦中戦争反対を公言して投獄されたことにより、先を案じた母によって教育が受けられる真浄寺へ小僧に出された
- 真浄寺では僧侶となる修行をしたが得度せず、東洋大学を卒業して芸能界へ
- 芸能界へ進んだ後も生涯仏弟子であり、親鸞聖人の生き様に影響を受けていた
仏教の教えでは彼岸があり、極楽浄土へ行くのだとか。現にオヤジさんは佛に向かって手を合わせていた。
しかし私は生前のあの言葉が忘れられない。
「お前あの世なんてあると思うか」
「いやあ、どうなんでしょうね。オヤジさんはどう思いますか」
「そんなのあるわけねえよ、死んだらお終い、それだけ」
「およみでない?」
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