2011/02/02

「お呼びでない」ギャグの誕生諸説①

「お呼びでない」ギャグとは、
植木等の代表的なギャグで、あるストーリー上まったく突飛であったり、つながりのない人物(植木等)が登場して「お呼びでない、お呼びでないね・・・・・、こりゃまた失礼いたしました」と去っていくものです。

このギャグの誕生エピソードとしてはいくつかあり、どれが真相なのかを考えてみたい。
もちろん私も生前の植木から直に聞いているのですが、はたしてそれが正しいのかも考えてみたいのです。

諸説は以下に記します。


[1]植木等の付人だった小松政夫が、オヤジの出番をとちってしまった

おそらくこれが正しいと一番多く周知されているのではないでしょうか。シチュエーションとしてはこうです。
シャボン玉ホリデーにて当時植木の付人であった小松政夫さんが、植木の出番がきたと勘違いし、セット裏で待機していた植木に「オヤジさん出番です!」と言った。
出とちってしまったと思った植木は大慌てでセットに飛び出したが、実際にはまだ前のコントが終わっておらず、逆の意味で植木の出とちり?となってしまった。
当然そのコントの出演者は、あれ?植木さんなんででてきちゃったんだ??となり、しばし沈黙があった。
植木も、あれ?まだおれの出番じゃなかったの?と思ったが戻りようがない、なんせ生放送だから!
植木は瞬間的に反応したのだろう、「お呼びでない、お呼びでないね・・・・こりゃまた失礼いたしました!」といって引っ込んだ。
この台本にない出来事が、なんとも言えない面白さを生み、ディレクターの秋元近史さんが、これは面白いっていうんで毎週やろうということになった。


これは本人が言ってるんだから間違いないだろうと普通は考えますよね。
ところが小松政夫さんは植木等お別れの会の弔辞にて、このエピソードについてこう語っている。
「お呼びでないギャグは小松の勘違いから生まれたと、オヤジさんはおっしゃってますが、本当だとしたら私は付人失格です。あれはオヤジさんが、私のために面白いエピソードをつけてやろうという思いやりじゃなかったんでしょうか。私はそう思っております。」
細かい言葉づかいが違うところがあるかも知れませんが、大方合っているはずです。私も生で聞いていたのですから。

小松さんのこの話が本当だとすると、お呼びでないギャグはどうやって生まれたのか。
これに対する説を小林信彦さんが著しているので検証してみたい。

時間がないので今日はここまで、私の論考も含めて後日記すことにします。

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